経審のCPD加点 社内業務従事でも対象

国土交通省は、9月13日の中央建設業審議会での了承を受け、経営事項審査の審査基準を改正する。今回の改正では、総合評価方式に限られる技術者の継続教育(CPD)に対するインセンティブを経審に拡大。総合評価の加点は対象工事の配置予定技術者のCPD単位取得に限られるが、改正する経審では、技術者資格があれば社内業務に携わる技術者も含め、所属する全ての技術者が対象となる。2021年4月に施行する。
CPDの単位を取得した技術者には、国交省の直轄事業や一部の地方自治体発注の公共事業で、所属企業に対する総合評価の加点措置がある。例えば、関東地方整備局では、配置予定技術者がCPDを発行する協議会などの推奨以上の単位を取得していると、総合評価で加点する。
ただ、インセンティブが総合評価に限られることもあり、CPD単位を取得したことのある技術者の割合は多くない。監理技術者講習の受講者に行われたアンケート調査では、CPD単位を「全く取得していない」と答えた技術者が全体の76%を占める。
改正建設業法では、技術者と技能者に知識・技術・技能の向上を求める規定が新設された。この規定を踏まえ、国交省は経審の「社会性等(W)」の評価項目に技術者のCPD取得状況を追加する。CPD単位の取得に新たなインセンティブを与え、技術者に継続的な技術の研さんを促すのが狙い。
評価対象となるのは▽建設系CPD協議会▽建築CPD運営会議▽建築設備士関係団体―が認定したCPDプログラムで、技術者が審査基準日前の1年間に取得したCPD単位。所属する全技術者の取得単位の平均値に応じ、5段階で加点評価する。
総合評価では、対象工事の配置予定技術者にCPD単位取得を求めているが、現場に配置する技術者は現場を離れてCPD単位を取得できる講習会や研修を受講することが難しいとの声もある。 経審での加点は、所属する全ての技術者が取得したCPD単位の平均値を評価するため、社内で現場サポートに従事する技術者や営業所専任技術者らの取得単位も評価対象になる。
加点は、建設技能者の能力評価制度でレベル2以上の評価を受けた技能者数との合算により算出し、社会性等(W)に最高10点を加算する。

(建通新聞)