コンクリート防食工事(KSライニング工法)

当社は、主に鉄で出来ている鋼構造物と、コンクリート構造物の防食工事を行っています。

特に下水処理施設に対しては水槽の内部の劣化を防ぐ材料として、KSライニング工法を発案しています。

当社が得意とする防食工事は主にKSライニング工法で施工しております。

KSライニング工法は、特定化学物質障害予防規則等に対応した、人と環境にやさしいノンスチレンビニルエステル樹脂を使用した工法です。

スプレー工法にも対応しているので、工期短縮も可能です。特に下水処理施設では、経年により硫化水素ガスが発生し、硫酸等でコンクリートが腐食し、劣化します。このような悪環境に対しても、KSライニングは環境汚染物質の発生と拡散を防ぎ、コンクリート構造物の長寿命化に大きく貢献します。
  
※下水処理施設は、下水道の汚水を浄化し、河川・湖沼または海へ放流する施設で、最近では浄化センター・水再生センターなどとも呼ばれています。
下水道法上は「終末処理場」と呼称されており、「下水を最終的に処理して河川その他の公共の水域又は海域に放流するために下水道の施設として設けられる処理施設及びこれを補完する施設」と定義しています。

以下に「KSライニング」を使用した防食工事の施工例をご紹介致します。

平成27年2月竣工「芝浦水再生センター雨天時貯留池建設その5工事」<大成建設株式会社様より受注>

本工事は「品川シーズンテラス」(写真:芝浦水再生センター敷地内32階建免震高層オフィスビル)の地下2階~4階・雨天時貯留池の防食工事(施工面積:約5万㎡)を施工。防食工法は完全無臭・全工程ノンスチレン型の「KSライニング」KS1000NH-D工法を採用。防食工事は既設の補修を行うことが多いですが、今回は新設の防食仕上げ事例となります。

芝浦水再生センター品川シーズンテラス

防食施工前の状況

施工前状況

断面修復工

劣化コンクリートを除去した後、元断面に修復し、既存コンクリートと一体化させて鉄筋の保護機能及び構造体力の回復を図ると共に、耐久的な被覆素地を形成させることを目的に行います。
施工方法は断面修復材を使用して所定の厚さまで、ひび割れ等の欠損部処理を行うものです。

モルタル補修

モルタル補修

素地調整

 防食塗装を行う為の下地処理として素地調整を行います。後から下塗⇒中塗⇒上塗と進めていく上で一番重要な工程となります。塗料の接着性を良くするため、プライマー(塗料の下地剤)をピンホールの発生に注意しながらムラなく均等に塗布します。

プライマーは場合により、この後の防食被覆塗装の際にも必要で使用されることがあります。 こちらはコンクリートですが、鉄に対しての素地調整は「ケレン」と呼ばれる作業で腐食度合により高い方から1種~4種まであります。 素地調整工の施工品質管理基準は 「平坦さ・密実さ・浮き・ひび割れ・脆弱層、エフロレッセンス ・硬化不良の有無の確認」です。

表面処理

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プライマー(KS900PNSE使用)塗布(ローラー)
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パテ(KS900PA使用)
パテ塗布完了
塗布完了

防食被覆工

断面修復⇒素地調整が完了した躯体を養生して腐食環境から長期間遮断し耐久的な保護機能を付与することを目的に行います。工法は「塗布型ライニング工法」と「シートライニング工法」に大別され塗布型は塗り付け型と吹き付け型に分類されます。

ここで使用しているKSライニングはノンスチレン(発がん性の疑いのあるスチレンをカット)で人体にも環境にも優しく複数業者による混在作業を行う場合でも安全な施工が可能です。また、耐久性・耐熱性に優れるビニルエステル樹脂を主成分とし、環境剤の侵入速さを示す浸透拡散係数を小さくするガラスフレークとの併用により、信頼度の極めて高い防食被覆層が出来上がり、長寿命化を図れます。このようにして出来た当社の樹脂は一年を通して硬化特性を発揮するため、工期の短縮が可能です。 

以下にKSライニング工法による塗布型ライニングの施工例をご紹介します。

上塗り1層目塗布完了
上塗り1層目(KS900T使用)塗布完了
上塗り2層目塗布中
上塗り2層目(KS900T使用)塗布
上塗り2層目塗布完了
上塗り2層目(KS900T)塗布完了
トップ塗布①
トップ(KS900TP使用)塗布
トップ塗布完了
トップ(KS900TP使用)塗布完了

検査

膜厚測定
下地検査、断面修復後の検査、接着強さ検査、検査結果の措置、防食被覆工の検査
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補修用グラウトの現場検査など

工事完成

良好な仕上げ外観となっています

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芝浦完成3

芝浦耐震壁防食

以上の基本工程において使用材料、環境、養生期間等を管理し安全かつ適切な工期で施工できるよう管理しております。