契約約款の担保期間は原則2年に改正へ

2020年4月施行の改正民法の内容を踏まえて、国土交通省は「建設工事標準請負契約
約款」の見直し作業を進めている。24日に中央建設業審議会(中建審)専門ワーキンググル
ープの第4回会合を開き、約款における譲渡制限や担保期間等について議論した。改正案
は年内に取りまとめる。
担保期間の関係では、公共・民間約款ともに原則2年の担保期間を置く。現行の公共約款
は設備工事等の場合は担保期間を1年としているが、設備工事等でも施工の部分が存在し
、売買により入手する機器の部分と区別する必要があるため、設備工事全体を1年とする
のは廃止し、2年に統合した上で引き渡した工作物のうち設備機器の部分は1年の担保期
間とする。公共約款は土木が中心で、建築を中心とする民間約款とは異なるため、1年の
特則部分の例示は「設備機器」のみとする。
譲渡制限に関する民法改正では、譲渡制限特約が付いていても債権譲渡の効力は妨げ
られないとされた。国交省は公共約款について、原則として現行同様の譲渡制限特約と違
反した場合の約定解除権を規定する一方で、一定の場合に発注者の承諾を義務付ける規
定を設ける方針を示した。
また譲渡制限特約違反による解除の例外として「工事の目的物の完成に支障がないこと」
を証明する必要があるが、受注者が工事の施工に必要な資金が不足することを証明した場
合、発注者は譲渡を承諾しなければならないものとする。また工事の目的物の完成につい
ては、譲渡により受け取った資金が適切にその工事に使用される必要があるため、譲渡で
受け取った金銭をその工事の材料費や下請け代金の支払いに充てることなどの証明を求
める。