CCUS活用の電子申請化で建退共制度を履行強化

国土交通省は、建設キャリアアップシステム(CCUS)を活用した建設業退職金共済制度(
建退共制度)の電子申請化による退職金給付徹底に向けた取り組みを進める。

技能者本人の意思によりCCUSに蓄積した就労履歴データを活用した電子申請を促進することで
労働者の就業実績を漏れなく建退共の掛け金充当につなげる。

今後、電子申請方式の利用促進と履行強化を図るとともにできるだけ早期にCCUSに蓄積された就業実績を掛け金充当に活用することを原則化したい意向。
現行の証紙・書面管理方式では、数次にわたる下請けに雇用される一人一人の技能者へ
確実に証紙を交付・貼付するには限界があり、証紙の過少貼付傾向に加えて、民間工事で
制度普及が進んでいないことが課題。国交省が検討中の「CCUS活用型電子申請方式」は
、対象労働者の就労実績を確実に掛け金充当につなげるため、キャリアアップカードタッチ
でCCUSに蓄積された就業実績を掛け金充当に活用することを原則化するもので、電子申
請導入を契機に公共工事での活用を徹底しつつ、民間工事での普及拡大を図る。
国交省では公共発注における履行強化策の方向性を示しており、当面の運用方針として
元請けは発注ごとに証紙方式か電子方式のいずれかを選択しなければならないこととし証紙と電子が混在しないようにする。

また電子方式では掛け金納付と充当の透明化が図られるため証紙方式を継続する場合でも電子方式と同様に掛け金充当を徹底する観点から、履行強化策を講じる。
建退共の受託事務に関して元請けが著しく不適切な処理を行っていることを発注者が把
握した場合には、必要に応じて指導などの実施も検討する。
なお国交省が昨年11月に実施した建設業許可業者向けのアンケート調査では、建退共証
紙は自社労働者への交付は比較的なされているが、下請けへの交付が徹底されていない
こと、民間工事ではさらに証紙の交付が不徹底であることが明らかになっていた。